猫が腎不全末期と診断された時、飼い主はとてもショックを受けたと思います。
それと同時にこれからどうしようかと迷いが出てくると思います。
余命はどれくらいなのか考えてしまいます。
腎不全末期の病状や食事や治療法についてみていきましょう。
① 猫の腎不全末期の食事は?
末期になると猫は自力でごはんを食べられなくなっていきます。
強制的に与えることも必要
しかしだからと言って何も食べさせない訳にもいきませんので飼い主が強制的に食べさていくことになります。
腎不全専用のフードもありますがこれを好まない猫も多いそうです。
腎不全専用のフードを食べないときはいつも食べていたフードをふやかして与えてみたり、シニア用のウェットフードを与えてみると食べてくれる子もいます。
この時期はごはんの質よりも、とにかく少しでも食べてくれる事が大切になります。
中には、本当は腎臓に悪いささみや嗜好品のおやつなら食べてくれるとほんの少量ずつ与えている方もいるそうです。
嫌がる場合は猫の気持ちを最優先で
でも体が辛い中、嫌いなフードを押し付けられることは猫にとって相当なストレスになると思います。
余計に食べなくなってしまう可能性もありますので、強制的に与えることが最善の策だと言い切ることは出来ないでしょう。猫へのストレスを必ず勘案してあげてくださいね。
もちろん腎不全用のフードを喜んで食べてくれるならその方がよいと思いますし、腎臓に悪い食べ物を進んで与えろと言うことでもありません。
猫が少しでも好んで食べてくれて腎臓に負担の少ない食べ物を探してあげてください。
②腎不全末期は水も飲めなくなる
末期になると自力で水を飲めなくなる猫が多く脱水症状を防ぐためシリンジやスポイトで強制的に水を飲ませることになるでしょう。
中にはごはんをスープタイプのものにして水分を摂らせている方もいます。
輸液
しかしそれでも嫌がって飲まない猫や経口摂取だけで足りない猫には輸液が必要になります。
皮下輸液は脱水改善し尿量を増やすことにより尿毒症を予防する働きがあります。
静脈点滴
もう一つ静脈点滴という方法があります。
皮下点滴は短時間で行えるため入院が必要なく通院で出来ますが、静脈点滴は時間をかけて点滴を行うため入院することが必要になります。
費用は病院により変わりますが皮下輸液は大体一回2000円前後掛かります。
輸液をしても一時的に脱水症状が和らぐだけなのでこれをなるべく毎日行わなければいけません。
どんなに大切な猫でも費用がかさむと飼い主も厳しいと思います。
自宅で輸液する方法
なので自宅で輸液する人が増えています。
病院に行くことが嫌いな猫もいるのでストレスなく、費用も抑えることが出来ます。
輸液や輸液するのに必要なセットはできればネットではなく病院で信頼できる先生の指示のもと購入することをお勧めします。
自宅輸液を行うと月に大体3~4万円の出費になると言われています。
2000円前後の輸液を30日続けて月に6万円で病院での診察代や交通費などを考えると半分くらいになりますね。
③腎不全末期のトイレはどうする?
腎不全初期の頃はトイレの回数とその量も増えていたと思いますが、末期になり脱水症状が増えるとトイレに行く回数がぐっと減ります。
トイレに行けてもそのまま座り込んでしまう猫もいます。
自力で排尿する事が出来なくなることもありますのでお腹をマッサージしてあげたりして排尿を促してあげましょう。
トイレに行けず粗相をしてしまう事もあると思います。猫の下半身の下にペットシーツを敷いたりタオルを置いたりして対処するとよいでしょう。
オムツをつける方法もありますが猫用のオムツは高いですし猫が嫌がることが多いので私はあまりおすすめしません。
我が家で昔飼っていた猫も癌で寝たきりになった時、試しにオムツをはかせてみましたが嫌がる様子があったのですぐにはかせるのを止めました。
④腎不全末期の猫との生活
腎不全末期で重要なことは水分補給と排尿、そして常に傍にいてあげることです。
一人で看病するのはとても飼い主も大変なので他に誰かいるのでしたら交代で看てあげるようにして下さい。
腎不全末期で35℃代の低体温になると、もって1日と言われています。
常日頃から猫の検温も欠かさず行ってください。少し寒いなと思ったら湯たんぽを使って温めてあげましょう。
⑤余命はどれくらい?治療続行か安楽死か
慢性腎不全は残念ながら治療により完治する病気ではありません。
末期と診断されると余命は早いと3日、長くて半年になると思います。
みなさん一度は悩むことが「治療を続ける」か「安楽死させる」かだと思います。これは飼い主しか選択できない問題です。故に一番苦しい選択になります。苦しむ姿を見続けるのは飼い主にとっても苦痛です。
しかしだからと言って安楽死を選ぶことも簡単なことではありません。
猫も苦痛を背負いながら生きるのは辛いでしょう。だからと言って死にたいと思ってはいないでしょう。
実際に余命3日を告げられた猫が1年生き延びた話もあります。後悔しない選択はないと思います。ならば最後まで猫のための選択をしてあげてください。
安らかに眠らせてあげるか、最期まで一緒に頑張ってみるか。
この決断は絶対に他人に決めさせないで下さい。それがたとえ病院で安楽死を勧められたとしても飼い主の意志で決めてあげることが大切です。
⑥猫の腎不全の原因解明に光!
すばらしい研究成果が報告されました。期待しましょう。
東京大学大学院医学系研究科は以前に血液中のタンパク質「AIM」(apoptosis inhibitor of macrophage、CD5Lとも呼ばれる)が急性腎不全を治癒させる機能を備えていることを発表したが、今回の研究でネコのAIMがマウスやヒトのAIMと異なる特徴を持っており、急性腎障害が生じても活性化されず、尿中に移行しないことを発見。そのため、ネコの血液内にAIMが十分にあったとしても腎臓の機能が回復せず、そのまま慢性腎不全が進行してしまうことが明らかとなった。
実験では、AIMをマウス型からネコ型に変えたマウスを作成し、急性腎障害を起こした検証を行なった場合に、腎臓の機能回復が進まず多くが死んでしまったが、このネコ型AIMのマウスに“マウスのAIM”を注射することで腎機能が速やかに改善したという。これによって致死率100%だったものが20%に低下した。
出典:愛猫家に朗報。ネコに腎不全が多発する原因が解明
こちらも期待!
⑦まとめ
我が家で飼っていた猫が末期の癌だと分かってから安楽死させず家族が最期まで交代で看病していました。
私は最期の瞬間に立ち会うことが出来ませんでしたが一生懸命生きようとしている姿に私は一緒に頑張れてよかったと思いました。
腎不全は確実に猫の命を蝕んでいきます。大事な家族だからこそ、死が近づいてきていることを覚悟をして1日1日を過ごしてあげましょう。
きっとその想いは愛猫に伝わっていると思います。