ペットは少しぐらいふくよかでぽっちゃりしている方がかわいらしいと思われがちですが、人間同様に太ることは体へ負担かけることです。
猫も肥満になると継続的にインシュリン注射を打つ治療が必要になったり、糖尿病などの病気を発症、その結果合併症を起こして辛い目に合う、治療費も膨大にかかるなんてこともあります。
猫の肥満チェック方法とダイエット法は?
デブ猫の食事対策や運動療法などについても見ていきましょう!
①猫の肥満とは?
栄養障害や代謝不足により猫の体重が適正体重より15%以上増えた状態が肥満です。
適正体重は、生後2年以内の体重を目安に考えると良いでしょう。
目安として体が成熟して大人になるまで1年、それから1年以内まで(避妊、去勢手術を行う前まで)の体重です。
☆肥満の原因
栄養障害になる要因として、「食べ過ぎ」、「運動不足」、「避妊・去勢手術」、「病気」の4点が考えられます。
「食べ過ぎ」
体質に合わない食事の摂取や、必要以上に栄養価の高い食事、おやつを頻繁に食べる機会が多いためです。
「運動不足」
食事量に比例した運動量がない状態です。
「避妊・去勢手術」
手術により行動範囲が狭まり運動量、消費カロリーが低下する状態です。
「病気」
ホルモンバランスの異常により起こる病気(甲状腺機能低下症、クッシング症候群、高脂血症等)の影響が考えられます。
☆肥満の体への影響
体重増加により関節、筋肉、心臓、呼吸器への負担が増え、かつ糖尿病、肝臓病、皮膚病、悪性腫瘍、泌尿器関連の病気発症率が高くなる、風邪を引きやすくなる、傷が治りにくくなる、手術時の麻酔が効きにくくなるといった影響があります。
②猫の肥満の判断方法
大事なのはまず肥満かどうか確認することです。
分かりやすい判断基準として、「見た目」、「胴回りの測定」、「触ってみる」の3点です。
1つ目の「見た目」から分かる肥満のサイン。
〇適正体重時と比較しましょう
・顔:顔の両側がふっくらし、なんとなく丸顔になっている。
・首:上から見た時に肩甲骨が見えない、首の後ろが太くなってきている。
・しっぽ:付け根が極端に太くなり、先が細くなっている(種類による)。
・ウエスト:真上からみた際に、くびれも骨盤も見当たらない。
・お腹:たるみがある、体のラインが平面的、ぽっこりお腹が垂れ下がっている。
2つ目は「胴回りの測定」から分かる肥満のサイン。
〇下腿(LIM/cm)と胴回り(cm)の数字を比較しましょう)。
※計測した数値から体脂肪率を計算することも可能です(標準の数値を上回る場合は肥満です)。
「体脂肪率=(1.54×胸囲e)-(1.58×LIM)-8.67」。
LIM(cm) | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
標準胴回り(cm) | 22~32 | 22~34 | 24~34 | 26~38 | 28~38 | 30~40 |
標準体脂肪率 | 12~28 | 11~29 | 12~28 | 11~29 | 12~28 | 11~29 |
LIM(cm) | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
標準胴回り(cm) | 30~40 | 30~42 | 30~42 | 34~44 | 34~46 | 36~46 |
標準体脂肪率 | 12~28 | 11~29 | 12~28 | 11~29 | 12~28 | 11~29 |
3つ目の「触ってみる」から分かる肥満のサイン。
・理想的:触って肋骨が分かる
・太り気味:押すように触れないと肋骨が分からない。
・肥満:触っても肋骨が分からない。
③猫の肥満対策
肥満と言えば、ダイエット、体への負担を考えゆっくりと行っていきましょう。
☆食事療法
食事の与え方を考慮する
1日の食事回数や量、食事を与える時間を決める、フードの種類を変える等。成猫であれば、食事回数2回にしてみる、カロリーの低いフードや水分を多く含むフードを検討する、病院に相談しながらダイエットフードを利用する等。
人の食べ物を与えない
人の食事は猫にとってカロリーが高かったり、塩分が多かったりします。
☆運動療法
猫が一人でも遊べるようなおもちゃを与える、自分で積極的に動く環境を整えてあげると良いでしょう。どうしても運動したがらない場合は、ハーネスをつけて一緒に散歩をしてあげるのも手です。
④まとめ
何事も過剰は厳禁、適度な運動と正しい食事を心がけることが、肥満を防ぎたまの贅沢(カロリーの高いものなど)に繋がるものです。
普段から健康管理に気を配ることで、肥満を予防していきたいですね。
また、継続的な努力を行うことで、きっと猫の体重も減らすことができます。
無理せず少しずつでも行動を起こしていきたいですね。