インターフェロンは人間のガンなどの治療法としても有名ですが、猫にも利用されています。
猫風邪にインターフェロン治療をした場合、効果や副作用はどうなるのでしょうか。治療期間や治療費などもふくめて解説します。
猫風邪の原因や症状とは?
猫風邪はその名の通り、猫に鼻水やくしゃみ、咳など人間の風邪と似たような症状が見られる感染症です。
目ヤニ、よだれ、口内炎、口臭、発熱、食欲不振などの症状も出てくる場合もあります。
原因は、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジア細菌などに感染することで起こると言われています。
すぐに治療をしないと重症化してしまうケースが多く、人間の風邪のような自然治癒は期待できません。猫風邪という名称ですが、ウイルスの強さはまるでインフルエンザのようです。
インターフェロンって何?効果や副作用は?
インターフェロンはウイルスが感染した細胞などで作られる特殊なタンパク質で、それらのウイルスの増殖を抑える働きをします。
もともと体内に備わっているインターフェロンですが、それだけでは足りない場合には体外から投与することになります。
インターフェロンには、抗ウイルス作用、抗ガン作用、免疫系への作用の3つの効果があります。
猫風邪の病状(くしゃみ鼻水や熱)と薬は?正しい治療法や食事は?
・抗ウイルス作用
「抗ウイルスタンパク」を作り、細胞内ウイルスのタンパク合成を阻止する効果があります。
・抗ガン作用
ガン細胞のDNA合成や細胞分裂、タンパク合成を抑える効果があります。
・免疫系への作用
リンパ球や白血球などの免疫系を活性化し、間接的にガン細胞をやっつける効果があります。
猫風邪に対するインターフェロン治療は、予防・初期の段階で、カリシウイルス性の場合に大きな効果を発揮します。
クラミジアによる感染の場合は、インターフェロンよりも抗生物質による治療が主流となっているようです。
ウイルスに感染してから24時間以上経ってしまうと徐々に効果が薄れてくるので、とにかく早く対処することが求められます。
副作用は?
まれに副作用として、発熱、嘔吐、興奮状態、食欲不振、呼吸困難などが見られます。
猫エイズなど他の病気も患ってる場合や老猫などは、インターフェロン治療によって体に大きな負担がかかってしまうので、いい効果より副作用の方が強くなることがあるようです。
インターフェロン注射が効果を発揮するまでの時間や治療期間は?
インターフェロン注射をすると、6時間くらいで効果が出てきます。
動物病院の方針によっても異なりますが、通常の治療の目安としては、インターフェロン注射の場合、連日〜1日おきに3回投与します。
症状が軽くなれば、注射から点眼・点鼻薬に変更し様子を見ることもあるようです。
順調にいけば、2週間ほどで回復します。
インターフェロンは高額になる?治療代の目安は?
猫用インターフェロンは、「インターキャット」という商品名で販売されています。
1本5,000円が相場となっていて、必要量は体重で決まります。
大きめの猫だと1本では足らず、1回あたり10,000円ほどかかることもあります。ここに診察料なども加わると、さらに1回あたりの治療費は高くなります。
インターフェロン治療は1回では終わりませんので、数回分の治療費を考えると決して安い治療費とは言えません。
毎年ワクチンを受けていて軽度だったり、まだ体力がない子猫の場合は、注射ではなく点眼薬・点鼻薬で済ませることもあります。
この点眼薬・点鼻薬の場合は、1回1,000円程度と注射より安く済みます。
まとめ
あらかじめワクチンを受けておき、もしウイルス感染しても初期の段階でインターフェロン治療を受ければ重症化することなく回復できるでしょう。
インターフェロンはとにかく初期に投与することが重要です。
普段からちゃんと猫を観察し、異変を感じたらすぐに動物病院へ連れていってあげましょうね。