人間のエイズは不治の病として恐れられていますが、猫にもエイズが発症することがあります。もちろん人間のエイズとまったく同じ仕組みではありません。
猫がエイズに発症すると飼い主としては何をすればいいのか。また、発症リスクを軽減するためにどんな予防ができるのか。
私の飼っていた猫も「猫エイズ」にかかってしまい、かなり苦しんでいました。
愛する猫ちゃんのために猫エイズのことをしっかりと理解してあげましょう。
病状や治療方法についてポイントを解説していきます。
猫エイズとは?(症状)
猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群)とは、猫がFIV(猫免疫不全ウイルス)に感染することにより発症する病気の総称を言います。
感染当初の病名は「猫免疫不全ウイルス感染症」と言います。
猫エイズには、5つのステージがあります。
◆急性期(1ヶ月~1年)
発熱、リンパ節腫脹、下痢、白血球減少症、食欲不振、目脂などの症状が出ます。
幼猫はこの時期に細菌性肺炎、腸炎で死亡する場合がある。
◆無症候キャリア期(2年~4年、またはそれ以上)
急性期でみられた症状がなくなります。
この時期は健康な状態に戻ったように見えますが、ウイルスはリンパ球の中に潜み徐々にリンパ球を破壊していきます。
無症候キャリア期は長い猫で10年程続きます。この時期に生涯を終える猫もいます。
◆持続性全身性リンパ節症期(1ヶ月~2ヶ月)
全身のリンパ節が腫脹します。
◆エイズ関連症候群期(1年、またはそれ以上)
慢性的な口内炎、よだれ、口腔内腫瘍、皮膚炎、下痢の症状が見られます。
◆後天性免疫不全症候群(数ヶ月)
ここで初めて「猫後天性免疫不全症候群(猫エイズ)」という病名に変わります。
体重減少、白血球減少、悪性腫瘍を発症しやがて死に至ります。
猫エイズの原因・感染経路は?人に感染するか?
猫エイズウイルス(FIV)は、人のエイズウイルス(HIV)とは似て非なるものなので、人間に感染することはありません。
猫エイズウイルス(FIV)を持っている猫との粘膜・血液の接触により感染します。
<主な感染経路は二つ>
◇接触感染
例:ケンカによる噛み傷から感染
◇垂直感染
例:FIV に感染している猫から産まれた子猫
猫エイズの検査方法・時期
◆検査方法
検査方法は血液検査になります。
抗体を検出し陽性か陰性化を調べます。
血液検査(3,000円~5,000円程度)
◆検査時期
感染していても時期が早いと抗体を確認することが出来ません。
初回検査で陰性反応が出ても2ヶ月以降に再検査をすることをお勧めします。
再検査で陽性になる可能性があります。
幼猫(生後6か月以下)は、母猫から譲り受けた抗体が陽性反応を出すことがあります。
そのまま抗体が消失していく場合があるため1歳前後で再検査をすることをお勧めします。
一度陽性反応が出ても再検査で陰性になる可能性があります。
猫エイズの治療法は?
ウイルスに対する特効薬がまだ開発されておらず、治療法は確立されていません。
免疫が落ちることにより発症する諸症状に対する対処療法・緩和治療がメインとなります。
猫エイズの予防方法は?
猫エイズを予防するためのワクチンはあります。
しかし接種したことにより軽い伝染病の症状・繊維肉腫という悪性腫瘍や、ワクチン注射部位に炎症・接種後の発熱・疼痛・下痢・嘔吐、また、過敏体質の猫はムーンフェイス・掻痒(かゆみ)・蕁麻疹などの症状が出る場合があります。
感染している猫との接触を避け、ウイルスが体内に入ることを防ぐのが一番安全な予防方法だと思います。
まとめ
大切な愛猫がFIVに感染したらかなりの精神的ダメージを受けると思います。
しかし猫エイズの正しい知識を学びご自分の愛猫にあったケアを行えば猫エイズは怖くありません!
猫エイズはストレスによりステージが早く進む場合があります。
大好きなご主人に撫でられながらノドを鳴らし肥満にならない程度に栄養価の高いご飯や好物を食べさせてくつろぎながら寝ることが出来るそんな環境でストレスなく過ごすことが理想だと思います。
そして、猫エイズは、発病しないまま寿命で亡くなることも珍しくありません。
一生懸命今を生きている猫と最期の一秒まで一緒に楽しく過ごして下さい。
コメント
猫エイズって発症しちゃうんですね!
潜伏期間が長くて発症しないのかと思っていました。
猫エイズは潜伏期間が長いので、気を付けてあげてくださいね。