愛猫の目ヤニがでている、まぶたが腫れていて見えにくそうにしている。目の大きさが違っている、涙でウルウルとしている。
目をかいているなど、通常はやらなかったことをしていませんか?
もしかしたらそれって、猫の目の病気かもしれませんよ。
そんな時に人間の目薬は使ってよいのでしょうか。
目の病気の予防法も含めて説明します。
①猫の目の病気って?
猫の主な目の病気には、角膜炎、結膜炎、白内障、緑内障があります。
年をとって白内障や緑内障になるケースもあり、そのままにしておくと目が見えなくなってしまうこともあり、怖い病気なんです。
ウィルス性だった場合は失明の危機もあります。
病気が重くならないよう、それぞれ病気の特徴・対処方法を理解し早めに治療をしなければいけません。
・結膜炎
☆症状
・前足、床、壁で目をこすろうとする、こすりつける様子が見られる。
・白目が充血する。
・瞬きが多くなり涙が出る。
・あっかんべーをさせ瞼を下げると炎症が見られる。
☆特徴
ほこりやゴミ、異物が入る、細菌やウィルスによって発症します。
猫がかかりやすい眼の病気のうちの一つです。
猫インフルエンザを引き起こすウィルスに感染している場合もあるので注意が必要です。
・角膜炎
☆症状
・目を痛がる。
・透明な角膜が白く濁る。
☆特徴
角膜が傷つくことで炎症を起こします。
ほこりや異物が入る、他の猫とケンカしひっかいてケガをした。
栄養障害やウィルス感染、内臓の病気の場合も角膜炎になる場合があります。
☆治るまでにかかる期間
怪我の程度によっては早く治ります。
炎症、膿などがあり、長期にわたり角膜に傷付いた状態が続くと角膜腫瘍と呼ばれる血管ができあがることがあります。
この場合は治療に長期間かかってしまう場合があります。
・白内障
☆症状
・だんだんと目の水晶体が白く濁る。
・症状が重ければ重い程、濁り方が強くなる。
・壁、柱など物にぶつかることが多くなる、段差に躓く。
・小さな物音に敏感になる。
・暗い場所へ行きたがらない、暗い場所で動けない、おびえる。
☆特徴
生活習慣病などの病気、高齢化によって白内障になることは少ないです。
結膜炎、角膜炎同様に怪我や異物によって引き起こされることの多い眼の病気です。
子猫時代の栄養不良も影響するため、子猫の時にしっかりとした栄養管理をしてあげることが大切です。
少ないですが、交通事故などで目に強い衝撃を受けることによって白内障を発症することもあるようです。
☆治るまでにかかる期間
手術を行う場合は、完治するまで1ヵ月程度を見て頂くと良いでしょう。
・緑内障
☆症状
・常に瞳孔が広がっている。
・目を痛がる、痛みのために目を閉じている。
・目をシバシバ、しょぼしょぼさせる。
・壁、柱など物にぶつかることが多くなる、段差に躓く。
・目が充血する。
☆特徴
眼圧があがることが原因です。
目の痛みが強いと頭を撫でられるのを嫌がったり、食欲がなくなるのが特徴です。
早期に発見することが何よりも大切です!
発見が早ければ失明をせずに済みます。病気がかなり進行している状態では遅く、最悪の場合失明してしまいます。
☆治るまでにかかる期間
一度の手術で完治するとは限らず、長期にわたる治療と観察が必要な病気です。
・流涙症
☆症状
・常に涙を流しているため、目元が濡れている。
・目を頻繁にこする。
・目(目元の涙)を拭うと赤茶色の涙が付着する。
☆特徴
結膜炎や角膜炎、異物などの目への刺激が原因となり発症します。
その他、先天的に鼻が低い猫や、まぶたが正常に作られていない猫の場合にも起こります。
☆治るまでにかかる期間
薬、手術など症状によって最適な治療方法は異なりますが、目薬で治療を続ける場合は3週間近くかかるようです。
②目の病気にかかっているか判断するには?
目元を異常に気にする、痒がる、充血、涙が出るなど普段と違う様子がないかしっかり確認しておくと良いでしょう。
顔をのぞき込んだり、猫に触れていると自然に気付ける症状が多いため、難しく考えることはないかと思いますよ。
③目の病気を予防する方法は?
☆目に加わる刺激を抑える
猫の目の中にホコリやゴミ、毛などが入らないようにしましょう。
人間も気を付けていても、どうしても100%目にホコリやゴミが入ってしまうことを防止することはできません。
それでも、なるべくゴミやホコリが入らないように気を付けてあげることは可能です。
例えば、掃除を小まめに行う、目を傷つけてしまうものを置かないなどです。
異物は、病気の原因となりやすいため、猫の目を注意してみてあげることが望ましいです。
☆目元を清潔にする
目ヤニや、涙など雑菌の温床になるものはコットンなどを使いきれいに拭きとってあげると良いでしょう。
④目の病気の治療方法は?
それぞれ正しい使い方を守り、目の病気が少しでも早く治せるよう対処してあげましょう。
☆目薬を使う場合
<目薬を使う際のポイント>
・飼い主さんは手をきれいに洗いましょう。
・猫が動かないようにしっかり固定します(膝の上に乗せるなど)。
・目薬の容器が猫になるべく見えないよう気を付けましょう。
・猫の後ろから(視界に入らない位置から)目薬を差すと猫が警戒しにくいです。
・警戒されないよう素早く目薬を差しましょう。
<目薬の差し方>
1.猫が動かないよう固定します。
2.目薬を差しやすいように、上を向かせます。
3.猫の後ろから目薬を差します。
目薬の先端に目ヤニや、傷口が当たらないように気をつけましょう。中身の変質、劣化がしやすくなります。
☆嫌がったり暴れてしまう場合には?
目薬を差す人と、猫を押さえる人2人で協力して目薬を差しましょう。
猫を押さえる場合には、足をしっかりとホールドする、タオルで体を包むといった方法もあります。
猫の暴れ具合によって適切な方法を選択してください。
☆目軟膏を使う場合
<目軟膏を使う際のポイント>
・眼のふちにつけるタイプのお薬です。
・目に入れるように付けます。
・慣れない内は、目薬より難しいため2人で行うと楽にできます。
<目軟膏の使い方>
1.目薬の手順1~2を行います。
2.上下の瞼のふちに目軟膏を乗せます。
(猫が慣れていない場合は綿棒を使用して白目や瞼のふちに規定量より多めの量を乗せます。)
3.まばたきするように上下の瞼を動かさせ、軟膏を目へ広げます。
4.猫自身にまばたきをさせます。
⑤猫の目薬って人間用ではダメなの?
☆人間用と猫用目薬の違い
猫も人間の目薬を代用したらいいのでは?だって、猫の目薬って人間用に比べると高いし、同じ目に入れるものだから大丈夫じゃないの?と思うかもしれませんが猫にとっては悪い成分も入っている可能性があるので止めましょう!
目薬は基本的に人間用と同じような成分でできています。
ただし人間も他人の薬は使用してはいけないのと同じで、猫にとって最適な効果がある薬であるとは限りません。
安全であるかどうか判断できないことや、不要な成分による副作用が起こる危険性を考えると使用しないのが正解でしょう。
☆猫用を使用した方が良い理由
人間用の目薬は、いろいろな成分が含まれているため猫の目にはきつすぎる可能性があります。
目薬の成分には、炎症を抑える効果があるもの、痒みや、充血を抑えるものなど様々な作用があります。
動物病院では猫の症状に応じた最適な薬が処方されるため安全です。
人間用の市販薬や病院で処方された目薬は処方された方向けの薬となっています。
通常は処方された方以外が使用することはありません。
目薬は必ず獣医師から処方されたものを使いましょう。
症状に合わない薬の使用によって猫の目の病気を余計悪化させてしまうのはかわいそうです。
子猫の目やにと涙の原因は?色や量や頻度から病気を判断できる?
猫の目やにの上手な取り方と注意点は?茶色や赤黒い場合は病気?
まとめ
猫の目に異変があったら、目薬を使い対処するよりも、まずは動物病院にいきましょう。
目薬は獣医師に処方されたあとに使用する方がいいでしょう。
目ヤニや結膜炎だけが目の病気ではありません。
症状を見過ごし悪化してからでは遅いです。
大切な猫のために日頃から目のチェックを忘れないようにしたいものです。