「もしかしたら飼い猫が腎臓の病気かもしれない」と心配されている方や、腎不全を患ってしまった飼い猫を飼われている方向けに、腎不全とはどういった病気であるのかといったことや、治療方法と費用、食事で予防する方法などについて解説していきます。
①猫の腎不全とは?
腎不全とは何らかの要因によって、腎臓機能が低下してしまう状態を表します。
急に症状が発生する急性と、緩やかに症状が発生する慢性の腎不全があります。
尿路結石、排尿困難、心不全、貧血、脱水、感染、中毒、偏った食事などや持病からの誘発が原因となり発症します。
高齢になるほど発生頻度が高くなる病気であり、完治させることは難しいですが、病気の予防と、進行を遅らせるための治療により症状を緩和させることができます。
②猫の腎不全の症状
腎不全は早期の対処が必要です。
喉の渇きで頻繁に水を飲むような様子が見られたら、すぐにでも病院へ相談するのが良いでしょう。
症状が重篤になるほど、尿毒症や脱水症状を併発し猫に大変な思いをさせてしまう可能性があります。
☆ほかに注意が必要な症状(病院への受診を検討しましょう▼)
・食欲不振が続いている
・痩せてきた
・水を飲む量・頻度が多い
・多尿である、もしくは尿が出ない
・便が出る頻度が減る、もしくは出ない
・下痢をする
・頻繁に吐く
・涎を流している
・毛つやがなくなってきた
・普段より寝ている時間が長い
・ふらついていたり元気がない
③猫の腎不全の対策
☆食事
・若いころから塩分を多く含む食事やおやつ(練り製品・煮干し・人間用の食品)を避ける
・高齢猫用のキャットフードを選択する
・サプリメントを検討する
・水分を多く摂取させる
(ドライフードを控えめに、缶詰やウェットフードを多めにする)
・食事療法について病院にて詳細な相談を検討する
(必要な栄養素を含む食事、避けるべき栄養素が含まれる食事と体調変化の関わり、消化のよい食事)
☆環境
・室内飼いを徹底する
・ストレスを減らし、リラックスできる環境を作る
(ブラッシングを可能な限り行う、猫が好む場所に居られる工夫、トイレを常に清潔にす
ることを心がけるなど)
・新鮮な水をいつでも好きなだけ飲めるようにする
(器の材質、器の配置場所、数、自動給水器の検討などの配慮)
☆病院
・1~7歳までであれば年に1回、10歳を超えたら年に1~2回程の定期健診を受ける
・腎不全を誘発する病気予防のため、定期的なワクチン接種を心がける
☆検査・治療内容
・血液、尿検査など
・服薬、治療食、皮下輸液(※症状の進行度に依存する)
☆費用目安
・初診料:1,000円
・再診料:500円
・血液検査:2,500円
・尿検査:1,600円
・投薬料:300円
・内服薬:症状に依存する
・皮下輸液:2800円~
・その他(圧迫排尿:300円、カテーテル採尿:1,100円、増血剤:4,950円)
※1回の受診(初診かつ病気が判明した場合)で、8,000円~13,000円程。
再診で、5,000円~10,000円程の費用負担が見込まれます。
また、一度病気を発症すると長期的な治療と治療費が必要になるため、ある程度の出費を考えておく必要があります。病気に備えてペット保険加入を検討するのも良いかもしれません。
④まとめ
食事や服薬などの治療で症状の緩和ができ、その結果、猫が病気に負けず長生きしてくれることが考えられます。
高齢になればなるほど発症率は高くなります。
8歳前後では約8%程度に対して、12歳前後になるとその3倍の約24%に跳ね上がります。15歳以上になると約30%となり3匹に1匹は腎不全を患うことになります。
辛い症状を少しでも緩和できるよう手助けしていけるようにしたいですね。