おいしいものを目の前にするとよだれが出るというイメージがありますが、猫には当てはまりません。
猫が突然よだれを出している様子がある場合、よだれが多い場合や止まらない場合は何らかの体の不調があるためかもしれません。
大量のよだれの原因や対処法など解説していきます。
①猫のよだれの原因と対処方法
よだれ(唾液)は口内の乾燥、細菌の除去を行うために常に分泌され、ストレス、病気の際にも多く出てきます。
よだれが口外に垂れる程出てくる場合は、猫の体に何らかのトラブルが発生しています。
・口内の異物、ケガ
上顎、舌、歯の隙間に異物が挟まる、刺さる、絡まるといった状態になった場合に、異物を除去しようとするためよだれが大量に出てきます。
よだれや出血がある、前足で口の周りを掻くような行動を取る場合は口内や、口の周りを確認してあげましょう。
簡単に取り除けるものであれば取り除いてあげましょう。
・熱中症
急激な体温上昇により、正常な体温が保てなくなる状態です。
あえぐように口を開けてハァハァと呼吸をする、目、口内粘膜の充血、寒気、吐き気、嘔吐、下痢、ふらつきがあり、重度になると意識がなくなる、痙攣、震え、吐血や下血などの症状が発生します。
症状がみられる場合には、涼しい場所へ移動させる、氷枕で体を冷やす、冷水で濡らしたタオルで体を包むなどして早急に体温を下げさせることとに配慮し、病院での適切な処置を受けることが大切です。
・中毒
カビや細菌の発生した食物(キャットフード、おやつ、魚、肉など)や中毒を引き起こす食物(ネギ類、カカオなど)を食べる、人間用の薬品、洗剤、殺虫剤、殺鼠剤などの誤飲・誤食など
、何らかの要因で口にしてはいけないものを口にしたため起こるのが中毒症状です。
よだれを流す、瞳孔の縮み、震え、痙攣、普段通り動けない、嘔吐、下痢、出血などの症状がある場合は、無理に体を動かさず早急に病院での受診を受けましょう。
軽度の場合は口の中を洗い流すのも応急措置として有効です。
・病気
食道炎、猫風邪(上部気道感染症)、巨大食道症、口内炎、胃拡張・胃捻転などの病気の影響が考えらます。
よだれに血が混ざっている場合は、最悪扁平上皮がんの可能性もありますので病院に連れていきましょう。
扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)は、皮膚や目の角膜といった体の表面や、口腔・食道・鼻腔・気管・気管支といった体内への入口にあたる部分の表面を覆っている「扁平上皮」と呼ばれる細胞ががん化したものです。
猫の病気辞典より
病気についての詳細はこちらの記事でご確認くださいね。
②猫のよだれ予防方法
まずは飼い主ができることをやってあげましょう。まず夏の室温には注意してあげてくださいね。
・暑い日の室内環境に気を付ける
ドアや高い場所の窓を解放する、換気扇、扇風機、エアコン、クールマットなどを利用し室内温度を一定に保つ工夫をする。
水を飲める環境を整え、トイレも清潔さを保つ。
猫の夏バテの病状と対策は?クーラーは何度に設定?
・不適切なもの(薬品、食物)を口にできないよう環境を整える
口にしてはいけないもの
カカオ製品、ぶどう、ネギ類、ケーキ類、アルコール、牛乳、刺激物など。
猫が食べてはいけないモノはこちらにまとめてありますのでご確認くださいませ。
猫にあげてはいけない食べ物や危険性は?好きな物と嫌いな物は何?
誤食してしまう可能性のあるもの
洗剤、人間用のサプリメント、薬、タバコの吸い殻、ひも状のもの(釣り糸、輪ゴム、おもちゃ)、アクセサリー、文房具(クリップなど小さいもの)、ボタン電池や食物の種など。
こういったモノを猫の触れるところに絶対に置かないようにしてくださいね。
③まとめ
猫が危険なものを口にできないよう、常に人間の生活環境から気を配ることで事故を防ぎ、猫の健康を守っていきたいですね。
もしも、大量のよだれを出している様子が見られたら、早急に対処してあげましょう。