猫の避妊手術をしようとは考えていたけど、手術の前に猫が妊娠をしてしまい困ってしまった、という飼い主さんいらっしゃるかもしれません。
そんな思わぬ妊娠をしてしまった時の対処方法の一つとして「妊娠中絶」があります。
猫の中絶手術はいつまで可能なのでしょうか。
また手術費用や通院期間(時間)はどれくらいかかるのかについて解説していきます。
①猫の中絶方法や時期は?いつまで可能?
中絶方法として2つ方法があります。
一つ目は薬を使用して堕胎する方法。
二つ目は手術にて子供ごと卵巣、子宮を摘出する(避妊手術と同じ)といった方法になります。
妊娠発見時期がより早い場合は、薬による堕胎が可能です。
時期
猫の妊娠期間は63日〜65日程度と短いです。しかも初期段階で妊娠の兆候に気づくためには猫の盛り時期から猫の体調変化などを観察しておく必要があります。
一般的に分娩する前までは中絶可能といわれていますが、妊娠後期になるにつれて猫自身への負担・手術の難易度は大変なものとなります。
後期になるほど体内の子供が大きくなるため、摘出するための傷口がより大きくなり、更に出血量が増え、輸血が必要になる、手術時間も長くなる、といった大きな負担があります。
②中絶の手術費用や通院期間(時間)は?
基本的には子宮を取り出す避妊手術と同じになるため、避妊手術費用に中絶のための追加料金を加えた費用が必要となる場合が多いようです。
手術費用
一例として避妊手術費用が15,000~20,000円、追加料金が3,000~10,000円程。
薬での中絶の場合は手術より安く済むことが考えられます。
通院期間など
日帰り~1泊まで(中絶時期により異なります)。
手術後数日はエリザベスカラーなどをつけ傷口の保護や安静が必要になります(場合により、痛み止めなどの薬の服用が必要なこともあります)。
手術から10日前後に抜糸のため通院が必要になることもあります。
③中絶のメリットとデメリットは?
<薬での中絶の場合>
※メリット
・今後また妊娠が可能。いずれ子猫が欲しいと思っている場合は、薬の場合はまた妊娠出産することが可能なのでその点はメリットです。
※デメリット
・子宮炎・子宮蓄膿症・貧血など薬による副作用を引き起こす危険性がある。
<手術での中絶の場合>
※メリット
・子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍といった病気の予防できる
・発情による行動(鳴き声・尿スプレー)がなくなる
・行動範囲が狭くなる、性格が大人しくなる
・長生きする
※デメリット
・今後妊娠することができなくなる
・太りやすくなる(食事療法での対処可能)
・麻酔による危険性が0ではない
・手術直後のストレスから一時的にトイレに失敗しやすくなる可能性がある
④中絶以外の方法は?
中絶以外の方法として、産ませるという選択肢もあります。
ただし、生まれてくる子猫すべてを何があっても、きちんと育てられる方のみ選べる手段です。
また里親としての引き取り手を確実に探すことができれば、この方法も良いかもしれません。
里親が猫の面倒を見きれなくなって返されてしまう可能性も0ではありませんので、里親募集の知識をシッカリと学んで、いい里親さんを見つけることが子猫の幸せにつながります。
引き取り手が見つからなければ、やはり自分で面倒を見る必要が出てくるのですが、猫の数が多くなると餌代や病院代など経済的負担も大きくなってきますので、覚悟することが必要です。
⑤まとめ
不幸な猫を生み出さないことが猫への体の負担を減らし、更に大切な飼い猫を長生きさせるための手段となります。
思わぬ妊娠による中絶で戸惑うことが多くあるかと思いますが、最悪ギリギリまで対処は可能です。
普段から飼い猫の体調管理、外出の有無などには十分注意を払っていきたいですね。