やっと無事に出産を終えて一安心していたのに、どうやら母猫の様子がおかしいと心配になりますよね。
猫の出産後の出血やお腹の張りがあるのは大丈夫なのか。
食欲がなく餌をあまり食べないのは気にする必要がないのか。
どのような病気の恐れがあるのか、分かっていた方が安心です。
産後の猫の体調不良の原因について解説します。
産後も出血が続く原因は?注意が必要な出血とは?
産後、悪露(おろ)といって子宮から分泌液が排出されます。その中には血液も混ざっているので赤黒く、出血してるように見られるでしょう。
この悪露には個体差があり、数日で終わる猫もいれば数週間続く猫もいます。
出血が続く他の原因としては、胎盤停滞も考えられます。胎盤停滞とは、出産時にしっかり胎盤まで排出されず、子宮内に残ってる状態のことを言います。
胎盤停滞になると出血がダラダラと続き、放置しておくと子宮感染から病気へと発展してしまう恐れがあります。
鮮血が出たり、出血が大量であったり、少なくても減っていく様子が見られなければ、動物病院で診てもらいましょう。
食欲がないのは危険?産後の母猫の食欲とは?
通常は、出産から2〜3日で母猫の食欲は以前の2倍になります。
それは、子猫たちに母乳をあげないといけないので栄養を必要とするからです。
もし母猫の食欲がなく、妊娠前よりも体重が減っていくようであれば危険性が高くなります。早めに動物病院で診てもらった方がいいでしょう。
お腹がパンパンに張っている!母猫の元気がない!考えられる原因は?
産後、母猫がぐったりしていたり、食欲がないようであれば次のような病気などが考えられます。
・死産
もしかしたら、死産した子猫が子宮内に残っているかもしれません。
放置しておくと子宮感染の恐れがあります。
産後であるにも関わらずお腹が大きい、お腹を触ると子猫のような感覚がある、食欲がなく何も食べようとしないなどの様子が見られれば、急いで動物病院へ連れていきましょう。
・産褥熱
産褥熱は、出産により傷付いた子宮や膣の粘膜から細菌感染し発症します。
ぐったりとして元気がなかったり、子猫のお世話もできないようであれば疑いましょう。
進行してしまうと、後述する子宮内膜炎など病気になる恐れがあります。
・産褥テタニー(子癇)
カルシウム不足(低カルシウム血症)により発症する、命に関わる病気です。
猫が発症することは稀ですが、産後は授乳により母体のカルシウムが急激に減ってしまうことから注意が必要です。
震え、痙攣、発熱などが見られたら疑いましょう。
・子宮内膜炎
出産後の子宮が修復されずに細菌に感染することで発症します。
症状としては、(お腹を触られるのを嫌がるなど)下腹部を痛がる、微熱が出る、膣から濃緑色の分泌液が出る、不正出血が続くなどが挙げられます。
・子宮蓄膿症
前述した子宮内膜炎が長引くと、子宮内に膿が溜まる子宮蓄膿症に発展する恐れがあります。
子宮蓄膿症が重症化すると、子宮がパンパンに腫れてしまいます。
お腹が膨れている、陰部から膿が出ている、水を大量に飲むなどの様子が見られたら、急いで動物病院で診てもらって下さい。
まとめ
出産で体力を消耗するとはいえ、健康な状態でしたら、母猫はしっかり栄養をつけ子猫のお世話をします。
出産前より明らかに食べる量が増えるので、その心配をする飼い主さんも多いですね。仮に1回の出産で5匹産んだとしたら、その分だけ母乳も必要となるので2倍、3倍食べないと栄養素が不足してしまいます。
食欲がなかったり、ぐったりとしてたり、出血が続くようであれば上記にあげた何かしらのトラブルが発生している恐れがあります。
母親の体調が悪いと生まれてきた赤ちゃん猫たちの命も危なくなります。
食事を食べないのは危険信号のサインですので見逃さないようにしましょう。