猫のお産に立ち会うことってなかなかない経験ですよね。
猫の出産直前の前兆や陣痛の時間ってどんな様子なのでしょうか。
周りにも経験者が少なく、猫の妊娠が分かるとどうしたらいいのか分からない方もいらっしゃると思います。
飼い主として落ち着いて迎えられるよう、場所の準備など猫の出産について学んでいきましょう。
出産が近いサイン?出産直前になると見られる行動や前兆とは?
猫の妊娠期間は63〜65日前後と言われています。
12、13日前(妊娠50日あたり)から胎動を感じることができ、目で見ただけで分かるようになると出産が近づいてきている証拠です。
24時間前から食欲が急激に低下し、子猫たちの胎動が減ってお腹が固く感じるようになります。さらに出産が目前になると次のような行動や前兆が見られるようになります。
・威嚇するなど攻撃的になる、警戒心を強める
・乳房や陰部を舐める
・落ち着きがなくなる
・むやみに鳴く
・何度もトイレに行く、排便姿勢をとる
・床を掘る行為など、営巣行動がみられる
・出産場所を探し始める
理想的な出産場所の条件とは?準備は?
猫にとって理想的な出産場所は、周りが囲まれていて、薄暗く、乾燥しているところです。
出産が近づいてくると母猫が自ら出産場所を探し始めますが、飼い主としてお手伝いしてあげるとするならば、このような条件が整った場所を見つけてタオルなど柔らかいものを敷いてあげるといいでしょう。
もし理想的な場所が家の中になかったり、汚れたら困る場合は段ボールや衣装ケースを準備しましょう。
子猫が全員産まれたら、出産で汚れた箱から清潔な箱に全匹移せるよう、2箱準備しておくといいですね。
ペットシーツや汚れても構わない清潔なタオルもたくさん準備し、出産過程でそれらが汚れる都度取り替えるようにします。
冬であればペット用のホットカーペットやカイロなどを準備し、敷いてあげましょう。
夏であれば暑過ぎない28度くらいに室温を設定し、冷風が直接猫に当たらないよう注意します。
出産は陣痛からどのように進む?かかる時間は?
猫の出産は、陣痛期→開口期→算出期→後産期という4つの段階で進んでいきます。
出産に要する時間は2〜5時間くらいと言われていますが、12時間以上と出産が長引くケースもあります。
では見ていきましょう!
【陣痛期】
陣痛が大きくなってくる時期で、20分〜60分程度かかります。
苦しそうに呼吸をしたり、股間を舐めたりと落ち着かない様子が見られ、膣から透明でネバネバした液体が分泌されるようになります。
60分以上時間がかかっているようであれば、難産の可能性があります。
また膣から暗緑色や茶色の液体が分泌されたり、分泌液の臭いが強い場合は、細菌感染や死産の可能性が高いので注意が必要です。
【開口期】
子猫が産道を通過し、膣の開口部で一時的に止まる時期です。
この時羊膜が破れますが、大量の出血があったり、子猫の頭が見えてるのに5分以上そのまま出てこない時は動物病院で診てもらいましょう。
【算出期】
とうとう子猫が産まれます。
15〜30分間隔で1匹ずつ産まれ、全匹出産されるまでに1〜2時間かかるでしょう。
母猫は産まれてきた子猫のへその緒を切ったり、鼻先を舐めて呼吸を促したりします。
【後産期】
赤黒くぬるっとした胎盤が出てきます。
胎盤は子猫1匹につき1つずつ付いていて、子猫→胎盤→子猫→胎盤と順番に出ることもあれば、子猫だけが最初に出てきて、後からまとめて胎盤だけ出てくることもあります。
全ての出産が終わったら、胎盤が子猫の数だけ出てきたかを確認しましょう。
もし数が足りなければ、母猫の体内にまだ残ってる可能性が高いので動物病院で診てもらいましょう。
この胎盤には母猫にとって必要な栄養が含まれているので食べさせた方がいいのですが、食べ過ぎると胃腸の調子を悪くしてしまうことがあります。
7個以上は食べさせずに処分しましょう。
猫の出産は人間不要?手伝ってはいけない理由とは?
基本的に猫の出産を人間が手伝う必要はありません。
子猫を他の誰かに触られるのを嫌がったり、途中で人間に手伝われると育児に対する興味を失ってしまう母猫もいるからです。
難産であったり、母猫が子猫のお世話をしないなど、危険性がある時のみ手助けをするようにしましょう。
まとめ
出産中は人間がお手伝いできることは少ないのですが、妊娠中順調に子猫たちが成長しているか、出産後ちゃんと母猫がお世話をしているか、など見守ってあげる必要はあります。
出産は長ければ2時間近くかかる場合があります。かなり体力を消耗します。
落ち着いてサポートに回り、安産であることを祈ってあげましょう。